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無理をして怪我でもしたら、本社に戻ってもしばらく使い物にならない事になる
彼はどこか登れる場所を探して土手沿いを歩いた
土手からは離れないようにしたが不安だった
その時彼は気がついた
『そうだ、ここへタクシーを呼べばいいんだ、なんで気づかなかったんだ』
彼はケータイを出した
そしてがっかりした。
『そうだった、考えてみれば、あの人のケータイを借りれば良かったんだ』
彼は仕方なく歩き出した
土手から離れないように歩き続けると少し坂になっていた
しかしその坂は途中から登り坂になり、元の高さまで戻った
そこにつくと、何も立ってないのは同じなのだが、自動車教習所のように、あっちこっちで舗装された道が交差していた。
その道で区切られた区画は皆何もない更地であり、各土地はほぼ同じ高さだった
そして何もない所には場違いの立派な特定郵便局らしい建物が遠くにかすかに見えた
彼はそれを見た時ピンと来た
ここは土地区画整理事業の換地なのだ。
土地区画整理事業と言うのは一定の都市計画のために、道を広げたり区画を作ったりする事業だ
この時元の区画にあった住民や企業は土地を削られたり、場合によっては立ち退きを迫られる
その代償に支払われるのはお金の場合もあるが大概の場合は代わりの土地と交換する
それを換地と呼ぶ
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