見殺し

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その水筒は見覚えのある水筒だった その水筒といい、車のルーフに乗せっぱなしと言うだらしなさから彼はあの男に違いないと思った 彼はうまく行けば、これに乗って帰れると思った 一度ことわったがタクシーに乗車拒否された事でタクシーを待つ気力がなくなった 彼は辺りを見たが男の姿を見つけられなかった 彼は呼びかけて見た 「すいません」 返事はなかった 彼は思った 車を置いてどこかに出かけたのだろうか しかしそんなに遠くとは思えなかった 彼は少し大声で呼ぼうと思った その時だった 何かが地面に叩きつけられる音がした。 彼は異常さを感じて、その方向に走った その時声を聞いた 「止めて下さい、何を怒ってるんですか」 彼は思った 間違いない、あの男だ どうやら何者かにからまれてるらしい そんな事を考えながら走ってると彼はその現場を目撃する事になった。 それはトンネルの入り口から五百メートルぐらいの暗い街灯のある路上だった その路上の上で二人の男がもみ合っていた。 下の男はあの中年だった 馬乗りになってるのはジーパンにジャケットを着た30才ぐらいの男だった
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