見殺し

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運転手は俺の行動を不審に思ってるだろう(後で警察に言うだろう) しかし警察も今の時点で形跡を失った通報者を割り出す事はしない しかしぼやぼや電話をかけてると逆探知され、パトカーに連絡されるかも、証人確保のためパトカーを寄越す可能性も否定出来ない 『もう、あの人は死んでるに決まってる 助けようなんて考えても無駄だ このまま死人に義理立てするのか俺は』 彼は電話を切った この時点で彼ははっきり男を見捨てた 「運転手さん、下ろして下さい」 「はい、わかりました」 運転手はウインカー左にハンドルを切ると車を止めた 彼は万札を一枚出し運転手に渡した 「釣りはいい」 「ありがとうございます」 運転手はドアを開けた 「じゃあ」 外へ出ようとする彼に運転手が声をかけた 「すいませんケータイを」 彼はケータイを返そうとしたが、ふと考えて断念した 『これには俺の指紋が』 そして袋から三万出して無理やり運転手に渡して車を降り後部ドアを閉めた 運転手はしばらく止まったが車を発車した 彼はケータイを石で破壊しようと思ったが、止めて電池を取り外し公共のゴミ箱へ捨てた。
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