見殺し

61/62
前へ
/709ページ
次へ
少し乱暴だが、時間さえたてば、この方法が一番証拠を探せないと聞いた事がある、流れない物を川に捨てると簡単に見つかってしまうらしいのだ それに比べてゴミ集積地のゴミはとても手におえる物ではないらしい 分別で死体とかなら発覚するが、普通のケータイなら、もちろん不燃物の山に移動するだけだ そしてその山から特定のケータイを探し出すのは、困難を極める 彼はそれを知っていた。 彼はタクシーを拾うと家に戻った 戻った途端後悔が襲って来た しかしもうどうしようもなかった 現場がどこなのかもわからないのだ それだけでなく、やるべき事をやらず不審な行動ばかりやってしまった もう後戻り出来ない 何一つ違法な事はしていないが彼は完全に追い詰められていた。 しかし追い詰められた以上に彼の心を苦しめたのは倫理的な理由だった その時突然ケータイが反応した 彼は恐る恐るケータイを取り出した そこにはこのような表示が出ていた 『7時間経過しましたので規定により以下の機能を回復します 1電話機能 2メール機能 3カメラ機能』 彼はケータイを床にたたきつけた。 目を瞑ると彼の脳裏にあの顔が
/709ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加