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それはゴミ箱に捨てたはずの運転手のケータイだった
「うわあ~」
彼は大きくのけぞった。
妻は笑って言った
「沙羅ちゃん、ママにケータイスープのおかわりを」
「わかったよママ」
娘は妻の空のスープ皿を取ると彼の前を通り過ぎ寸胴に向かった
その動きはどこか不自然だった
それはからくり人形のようだった。
娘は寸胴の鍋に対して歌いだした
「♪役に立たないケータイ電話はスープのだしに使いましょう
グツグツ煮立って美味しいスープが出来ました」
彼は娘の歌う内容に怒りと反感を覚えて言った
「おい、お前どう言うつもりだ」
彼は娘をこちらに向かそうと肩をつかんだ。
その途端キリキリと言う音がして娘が首だけ、こちらに向けた。
彼は叫んだ
「うわあ」
娘は口を下に三倍ぐらい広げると両目と口から血を流した。
彼は後退りしていき何者かにぶつかった
彼の肩にべっとりした物がついた
「血だ」
後ろを振り向くと口を三倍ぐらい下に開けた妻が両目から血を流して言った
「あなた~」
途中から男の声に変わった
「警察呼んで~」
彼は叫び声を上げると同時に目を覚ました
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