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彼は悪いと知りながら、それに協力してしまう
結局彼の会社は必要な台数を提供出来ずライバル社が実験導入されるが粗悪品チップに替えられた製品がパワーに耐えられずトラブルを起こし顧客先に多大な損害を発生させる
結局ライバル社は信用を失い株価は暴落し、契約は彼の会社が手に入れる
しかし話はこれだけで終わらなかった
ライバル社の担当が本社ビルから投身自殺をするのだ
これは彼にとって衝撃だった
契約の解除は製品の問題であり、営業の責任ではない、それにライバル社は業績が良く、この程度の事でリストラなど考えられなかった
しかし後でライバル社島田氏には特殊な事情がある事がわかった
その事情とは、この契約が成功すれば島田氏はニューヨーク支店支店長として栄転する事が決まっていたのだ
そしてこの栄転には切実な事情があった
島田氏の娘が重い心臓病を患っていて移植が必要だったのだ
島田氏は日本の家や車を処分し、ニューヨークで高額な治療を受ける準備をしていたのだ
それが全てパーになり、滞在費は工面出来てもアメリカでの治療を受けるには高収入の会社を止めなければならなくなっていたのである
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