異変は夢から始まった

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彼はメールを送った 「たのむ、相手をしてくれ」 妻からメールが返って来た 『どうしたのよ』 彼はしばらく考えてから決意してメールを送った 「お前とやりたい」 すぐ怒りのメールが返って来た 『何バカなメール寄越してるのよ、切るわよ』 彼は懲りずにメールを打った 「このままでは浮気するかもしれないぞ それでもいいのか」 メールの返事はなかった 彼はスマホを取ると履歴から、あの風俗サイトを再び繋げた その時電話がなった 妻が焦った声で言った 「私だけど、会社で何かあったの?」 本当の事情は言えるわけがない 「何もないよ順調だ」 「じゃあなんで?」 「俺も男だ、女体が欲しい時もある 悪いか」 「なら良いわよ」 妻の反応に彼は驚いて声を上げた 「えっ」 「私も女だって事よ 浮気するとまで言われて、どうぞとは言えないでしょ」 「そりゃそうだが」 「遅く来てね」 「なんで?」 「とにかくよ 夕飯はよりをかけて上げるわ ただし口紅一つ付けて来ても殺すからね」 何か妻の声はいつになく華やいでいた 「そう言えば、この二年間ほとんど会話なかったな」
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