異変は夢から始まった

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出っ張った額は性格俳優の斎藤洋介を彷彿させるが言い回しと豪快な態度は亡くなった名優丹波哲郎を思わせた 彼は言った 「しかし廃業なさる方も増えてますし」 「田中君、シャッターが閉まってるから店が潰れたわけじゃないよ」 「違うんですか?」 「あのね、店を開いて販売は照明代もかかるし、飛び込みセールスも入ってくるし、販売だって小口に対応しなきゃならない」 「そう言うわけですか」 「もちろん廃業している店もある いろいろだ うちは商店会の会長と言う建て前からシャッターにするわけにいかないから」 「それならホッとしました」 「しかし君は今時気分がいい男だね 二年前の一件、見直したよ、ケンカが強いと言う事じゃなくて困ってる人間を見たら見過ごせないと言うその気性だよ まさに義の人」 「そんな会長」 「例え我が身がどうなろうと見殺しなんて出来ないと言う」 彼は飲んでたお茶を吹いて咳こんだ 「どうした」 「私ここら辺で」 「おい来たばっかじゃないか」 「そうですよね」 二人の間に白けムードが流れた 彼はあまり話したくなかった 会長が自分を買いかぶってるのがつらかった
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