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そんなわけで彼は渋滞しない事を祈った
その祈りのせいか、順調に自宅マンションに辿り着いた。
地下の駐車場に車を収めると彼はホッとした。
新築で入ったマンションで、彼が単身赴任するちょっと前だから、もう四年になる
もし出世コースに乗るなら、少しランクが上のマンションに越したい気持ちがあるので、ここでの滞在は長くならないだろうと彼は思った
マンションは駐車場からはエレベーターで自分の部屋の階へ行く事が出来るが一階玄関から入るとエントランスにある管理人室の前で管理人に要件を述べなければ来客は入れない、しかし駐車場からは直接管理人を通さず行ける
これには理由がある
最初これはラブホテルを造る予定だったらしいが住民の反対で断念し、基本設計をそのままにマンションに変更した。
後で知ったが長期賃貸契約のため、後のまつりだった
重要事項の説明まで該当しないので解約も困難らしい
もっとも住めば都で、そのまま四年も住んでいる
防犯上は問題あるのだが、用もないのに管理人の顔など見たくないので今は彼も家族も満足している
もっとも若い賃貸人はパートナーや友人を連れ込み放題である
（しかし高級ラブホテル仕様の基本工事なので防音は完璧である）
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