異変は夢から始まった

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事が出来る しかし正体不明の怨念からは、こちらの都合や理屈が通用するわけはない 彼は譫言のように謝罪を繰り返すしかなかった 「すいません許して下さい ごめんなさい」 妻は突然夫が取った行動に最初はいたずらをわびているのだと考えていたが、夫の顔からあぶら汗が流れ身体が痙攣しているのを見た妻は、これは尋常でないと気がついた 「どうしたの貴方 ちょっと冷や汗だらけじゃない」 彼は頭を押さえたまま狂ったようにじぐるった 妻は叫んだ 「救急車呼ぼうか」 彼はその声で落ち着きを取り戻した 彼は言った 「すまないが鏡の文字を消してくれないか」 「わかった」 その後妻の驚嘆と恐怖に震えた声が聞こえて来た 「字がない あんな大きさ字が跡形もなく消えている どうゆう事よ」 彼は言われて鏡を見た 妻は横でショックで正常さを失いかけている 彼は妻に言った 「この事は沙羅には言うな、誰にも言うな」 妻は頷いた 彼は自分に言い聞かせるように言った 「この事は俺が片をつける」 彼は思った もし呪い殺されるなら自分だけにしなければならない 家族の巻き添えだけはふせがなければならない。
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