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「…ハぁ…、っ!」 「ここ?紗耶香さん」 「あ、ん。ナオくん、ダメ……。 ……あぁっ!」 ネクタイを巻かれた細い手指が淫らに蠢く。 ギシギシと軋むベットの下に脱ぎ捨てられた二組のスーツは、抱き合う肉体を模倣するかのように、全てが重なり絡みあっている。 うす暗い部屋の中、俺の与える快楽に身体も心も乱し喘ぐ彼女を強く抱き締める。 苦痛を耐えるような、でもどこか恍惚とした表情の彼女に優越感を得ながら、なお、さらに彼女の為に尽くす。 快楽だけでなく、 この身全てを彼女の為に使いたい。 俺という存在全てが彼女のためだけに在ればいいのに。 俺の与える快楽に溺れるのは彼女。 だけど、そんな彼女に溺れているのは 俺。 焦がれる想いのすべてを受け止めて欲しくて、ますます強く彼女を攻める。 「あぁあ、ナオくん、……も、もう」 瞳に涙を溜めて訴える彼女が可愛くて。 知らず口角が上がる。 「まだ。だよ、紗耶香さん。 まだ足りない。……もっとちょうだい」 この、至福の時間が、ずっと続けばいいー。
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