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すると部屋にもう一人入ってきた。若い女性だ。ブロンドの長い髪を後ろでくくり止め、おしゃれな服を着ていた。少し小さめの服を着ているせいか、胸が半分ほど出ている。
「まだ終わらないの?ここんとこ毎日パソコンと向きあってるけど。たまには人と話したら?」
スーツ姿の青年は手を止め、椅子ごと女の方に向ける。
「アァン、エルメスー。君も相変わらず美人だ。人となら今話してるじゃないか。ところで何の用だい?」
「No.003見つけといたよ。今監視させてるけど、どうしたらいいのかなと思って。」
「そうか、見つけたか…。アァン、素晴らしい!君は見た目だけでなく中身まで素晴らしい!よろしい、そのまま監視させときなさい。でも、その呼び方はよしなさい~、彼女にも可愛い名前があるんだ。」
「あら、ごめんなさい。それともう一つあるんだけど、いいかしら?」
「アァン、僕への確認なんていいよ。言ってごらん?」
「そ、じゃ言うけど、あんたが一番嫌っていた、エクスがいたわよ。」
エクス、という言葉が出た瞬間、青年の表情がガラリと変わった。
「なに…?まさかあいつが生きていたとは…。まぁ恐らく邪魔にはならないと思うが…。そいつは監視させてるかい?」
「えぇ、一応ね。始末しとく?」
「いや、そのまま監視させとけ。動きがあれば連絡してくれ。」
「了解。少しは外に出ることもオススメするわ。それじゃ。」
女はドアを閉め、立ち去った。
青年は再びパソコンを見つめ、キーボードを叩き始めた。
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