3章-encounter-

2/6

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
目が覚めると、同じ光景が広がる。 白い天井に白い壁、電気はあるが消えているため部屋は暗い。テレビの明かりだけが部屋を灯す。 外も暗く、時間は21時を過ぎていた。 「腹、減った…」 冷蔵庫を空けるも何も無い。昨日買った残りのパンが少しあるのを頬張るが、足しにもならなかった。 男は渋々買いに出かけた。 いつも見る薄暗い路地を真っ直ぐ歩く。所々に街灯があるだけで、人も車もない。 いつものコンビニまでは歩いて15分ほど。お金だけ持ち向かう。 歩いていると、昨日の事を思い出した。 (そういえば、昨日変なのいたな) そう思いつつその近くに差し掛かると、 「!?」 いた。同じ奴だ。格好も同じだ。長く綺麗な黒髪を地面に置き、膝を抱え黒いマントのようなものを羽織る少女。 男は、引き寄せられるように近くまで歩く。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加