3章-encounter-

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手が届くくらいまで来ると、少し間を置いて喋りかける。 「お前、何やってんだ?」 自分でもよく分からなかった。なぜこんなことをしたのか。普通なら昨日みたいにすぐ立ち去るのだが、今はこの少女に惹かれてしまっていた。 言われた少女はゆっくり顔を上げ、こちらを見る。 「・・・」 何も言わずじっと見つめる。 男は初めて少女の顔をじっくりと見た。顔は小さく、青く澄んだ目に小さな唇。どこか寂しそうな表情をしていた。 「あー、昨日もここにいたけど、ずっとここにいたのか?」 ほんと何言ってんだかって感じだった。ただ、何か自分の考えとは裏腹に口から言葉が出る。 この問いに少女は、顔をこっちに向けたままコクリと頷いた。
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