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炎天下、街ゆく人々は皆薄着で暑さを凌ぐ。中には団扇や扇子を片手に扇ぐ人、急速に溶けていくアイスを食べ歩きする人などもいる。
そんな中、クーラーの効いたフロアで悠々と仕事をする会社員もいる。
「熊下警部、もう少し調べたいことがあるのですが。」
「ん?あぁ、問題ないよ。お前が納得いくまで調べな。」
「ありがとうございます。」
ここもそんなフロアの一つだ。
熊下と呼ばれる警部はフロアの一番目立つ場所に座り、部下の日下と話していた。
山奥での爆破事件と赤田市の失踪事件以外は特に目立つ事件も無く、部署内はいつもより落ち着いていた。
「日下さん!!」
そんな平穏をドアの勢いと共に打ち破ったのは、日下の相方である火野だ。
「なんだ騒々しい」
「赤田市で遺体が発見されました!今現場検証で検察官が向かっています!」
「なに、遺体…?分かった、すぐ行く!すみません警部、そういうことで少し出ます。」
日下は軽く頭を下げると、自分の机に置いてあった帽子を取り火野と共に署を出た。
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