4章

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「殺人か…?」 「いえ、まだわかりません。しかしどうやら、失踪していた内の一人らしいです。」 「なに!?何か関係ありそうだな…。急げ!」 運転席に火野が乗り助手席に日下が乗りこむと、火野は黒の外車を出す。 赤田市までは車で40分ほどで、少し飛ばせば30分ちょいで着く。 今まで不規則に失踪していた赤田市の事件。しかし、今回初の殺人事件である。殺人と決まったわけではないが、複数人の犯行と行方不明者の遺体を見れば殺人と予想はつく。 30分過ぎた辺りで現場に到着した火野と日下。場所は山道の脇に流れる川。そこの河原で、釣りに来たカップルによって遺体が発見された。 「警視庁の日下だ。遺体は?」 先に来ていた検察官や鑑識は、現場を押さえていた。 「こちらです。・・・今朝の7時頃、男女のカップルがこちらの川へ釣りに来た際、遺体を発見し110番へ通報したようです。」 「死因は?」 「外傷は見られませんでした。毒殺か窒息辺りでしょう。」 「遺体の身元は?」 「えー、浅田 伸吾(あさだ しんご)さん、45歳。自営業で塗装をしていたそうですが、2週間ほど前に突如行方を暗ましたそうです。」 「日下さん。」 「あぁ、例の失踪事件だな。他に何か変わったことは…ん?」
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