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「火野、行方不明者の資料あったよな、今あるか?」
「はい…これです。」
日下は火野から、赤田市の行方不明者が載った資料を受け取りめくる。
「浅田伸吾…これか。17人目の行方不明者。犯人の目撃者や不信人物もいないのか?」
「はい。監視カメラも徐々に増やしてはいるんですが、特に変わった様子はありません。」
日下と火野は一通り聞くと車に戻った。
犯人の目的は一体何なのか…。今回の事件との繋がりは…。頭の中を幾度も交差するが、見えてこない。
「許せないですね…。」
小さく、そして力強く放ったのは火野だ。
「無関係な人達を拐い、挙句こんな殺人までするなんて…。」
「火野、あまり感情的になるな。」
「なりますよ!人が死んでるんですよ?なんでそんな冷静になれるんですか!」
火野は気持ちが高ぶり、声を荒げた。
しかしすかさず日下が答える。
「俺たちが冷静にならなきゃ、これ以上の被害者が出るからだ!…俺もこんなこと許せはしない。何としても食い止める。それが俺たちの仕事だ。違うか?」
「・・・」
日下の言葉に火野は言葉が出ず、署に戻るまで会話は無かった。
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