1章-destroy-

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もう開いてる店は、この辺にも一件しかないこのコンビニだけだった。 いつものように、おにぎりやサンドイッチ、パンや缶詰などすぐに食べれそうなものをまとめて買い、店を出た。 来た道を今度は帰り道として家に向かい歩く。薄暗い道、人気は全くなかった。 家とコンビニは徒歩15分くらいのこと。遠すぎず近すぎずといったところだ。 コンビニを出て5分歩いたくらいのとこだった。傍らに住宅があり、塀で覆われていたのだが、そこに人が座り込んでいた。 小柄で黒いマントのようなものを羽織っていた。真っ黒の髪は長くとても綺麗で、膝を抱えうずくまるように顔を伏せていた。 (さっきこんな奴いたか…?) そんな広くもない路地で、明るくもないが真っ暗なわけでもないのに、気付かなかったのかと思ったが、まぁいいやと帰ろうとしたとき、 「あたたかい」 声がした。どこからの声かはすぐにわかった。さっきの奴だ。 「あ?」
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