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もう開いてる店は、この辺にも一件しかないこのコンビニだけだった。
いつものように、おにぎりやサンドイッチ、パンや缶詰などすぐに食べれそうなものをまとめて買い、店を出た。
来た道を今度は帰り道として家に向かい歩く。薄暗い道、人気は全くなかった。
家とコンビニは徒歩15分くらいのこと。遠すぎず近すぎずといったところだ。
コンビニを出て5分歩いたくらいのとこだった。傍らに住宅があり、塀で覆われていたのだが、そこに人が座り込んでいた。
小柄で黒いマントのようなものを羽織っていた。真っ黒の髪は長くとても綺麗で、膝を抱えうずくまるように顔を伏せていた。
(さっきこんな奴いたか…?)
そんな広くもない路地で、明るくもないが真っ暗なわけでもないのに、気付かなかったのかと思ったが、まぁいいやと帰ろうとしたとき、
「あたたかい」
声がした。どこからの声かはすぐにわかった。さっきの奴だ。
「あ?」
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