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大好きだった幼馴染みが死んだ。
…妻と、1歳の息子を残して。
「ごめんね、悠太、いきなりこんなこと頼んじゃって。」
幼馴染み、利人の妻であり、俺の友達である美佳が顔の前で手を合わせる。
「どうしても、葬儀後の話とかで向こうの両親のところに行かないといけなくなっちゃって…でも、この子を連れてくわけにはいかないの。…いろいろ、言われるの嫌だから。」
美佳の両親はすでにおらず、頼れる人がいないみたいだ。
「いいけど…大変だな。悲しんでる場合じゃないだろうし…」
「…しょうがないね。」
俺のアパートに、1日だけ利人の息子、魁人がやってくることになった。
「これ、ご飯とかは持ってきたものあっためてくれればいいよ。あとね、魁人はもうおむつほとんどしなくても大丈夫なの。夜だけお願いできる?トイレ行かせるときは、これ置いて。あとは…」
「大丈夫だって。何度かお前のうちに遊びに行ったし、なんとかなるよ。」
「…そうね。魁人も悠太になついてるし、いいかな。」
安心した様子で、彼女は出て行った。
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