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…お、重い…
身体に妙な重さを感じ、夜中に目を覚ました。
…魁人か?
「…魁人…どうしたんだよ…」
そう、呟いて身体を少し起こそうとした。
その時。
「…よ、悠太。だいぶ気持ちよさそうに寝てたな。」
すでに懐かしい声がした。
「…利人?」
俺に跨っていたのは、魁人ではなく死んだ利人だった。
「お…お前…どうして…」
「寝ぼけてんのか、これは夢だぞ。」
「あ…夢…」
夢の中の利人に夢だ、と言われるのもどうかと思うが、俺は素直に納得してしまった。
「…どうして死んだんだよ…バカ野郎…」
「…うん。ごめんな…」
「お前に、言いたいこと沢山あったのによぉ…」
「…うん。」
「お前は…バカだ…美佳も…魁人も残して…」
「悠太も残しちまったな。」
「…ホントだよ…バカ…」
俺はひたすらバカを連呼しながら、情けなく涙を流した。
…これは夢なんだ。
利人はもういないんだ。
…でも、夢の中でなら、言ってもいいか。
それくらい我儘やっても、誰も怒らないよな。
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