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「…バカ利人…」
「…うん。」
「…お前のこと、好きだったのによ…」
利人は、それに対して反応してくれなかった。
「…魁人、可愛いだろ。」
話をそらされた。
「…あぁ、笑顔がお前にそっくりだよ…憎らしいくらいな。」
「だろ?…でもな、魁人の寝顔は、お前にそっくりなんだ。」
「は…?んなわけないだろ。」
「不思議だろう?俺はその顔を見たら…思わず、呟かずにはいられなかったんだよ。…悠太、好きだ、ってね。」
「…え?おま、何言ってるんだ…?」
夢だから、自分の都合のいいように話が展開されているのだろうか。
「…美佳にばれない様に毎日囁いてたら、ある日魁人が覚えちまってな。ゆたー、すきー、なんて美佳の前で言われたときは、どう説明しようかと思ったわ。」
「…まるで、俺のことが好きだったみたいな言い草だな。」
「お前のことが好きだったんだよ。…言う前に、結婚話来ちまうし、案の定、俺は死んじゃうしな。」
そう言って、俺の頭を撫でた。
死んでるから冷たいはずなのに…なぜかその手は温かかった。
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