大好きだった人。

8/10
前へ
/10ページ
次へ
*************** …お、重い… 俺が目を覚ますと、いつの間にか俺の上に魁人が乗っていた。 …這い上がってきたのか? そう思ったとき、身体に妙な寒さを感じた。 「…え?」 俺のパジャマのボタンがすべて外れ、はだけていた。 しかも、寝るときに着ていた下着が、ない。 …俺、夜中暑くて脱いだのだろうか。 …あんな、夢を見ていたのだから。 俺は、魁人を布団に寝かして、洗面に向かった。 「…さすがに、腰は痛くないな…」 顔を洗おうと、鏡を見て… 「…どういうことだよ…」 首筋から、胸、腹にかけて、覚えのないあざがいくつもつけられていた。 いや、1つだけ覚えがある。 …利人? 急いで、ズボンも脱いだ。 案の定、利人が唇を滑らせたところすべてに、あざがくっきりと残っていた。 …なんだよこれ。どういうことだよ。 「ゆたー?ゆたー?ゆーたー?」 魁人が俺の名前を呼んだことで、我に返る。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

147人が本棚に入れています
本棚に追加