第一章 始まりの森

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「……分かりました。けど、せめて戦いを始めるのは二人が来るか、敵が来てからにして下さい」 「それは勿論ですとも。なにしろ問題となっている敵の国は我々の国とは大陸の正反対に位置していますからな」 どうやら私の出した条件は飲まれたが、実際のところ戦いが始まって私に何が出来るのかは謎です イクスと一緒に放った、悪魔を倒した一撃を使えばそれなりの活躍が出来ると思いますけど、あれは私の魔力を三分の一は奪っていきました 今だって体に軽い虚脱感がありますし、もう一度使おうとすれば最初の一撃よりも多くの時間が掛かる事でしょう 私達は取り敢えずお城の中に自室として部屋を与えられ、用があるようなら近くにいる城の召し使いに訪ねるように言われました それは別に構わないのですが、問題は此処からです 私と同室になったあの眼鏡の女の子、早速イクスとどういう関係なのか訊かなければなりませんよね 「えっと、シオンさんでしたよね?私は日下部ツグミです。単刀直入に言いますが、空君を渡すつもりはありませんから。例えそれが前世からの関係でもです!」 「……それは私も同じ、イクスは私のものだから」 ツグミさんと私はお互いにイクスを好きな者同士という事もあって少し空気がピリピリしてますが、私も退くつもりは一切ありません 「言っておきますけど、私は空君にキスもしましたし、同じ布団で寝たりもしました」 「……それは私も同じ。それに、イクスは私とレーネを絶対に見捨てたりはしない」 別に私もキスしたり、同じ布団で眠ったりはしましたけど、後で合流出来たらイクスには一撃お仕置きが必要そうですね それに、この世界に来て不安なのかあまり喋らないレーネの為にもイクスとは早く合流しないといけません 「そ、そうだとしても私が貴方に劣っている訳ではありません!時間の差くらい簡単にひっくり返して見せますから!」 「……うん、私も負けない。けど、他の女の子を惚れさせるようならイクスにはお仕置きする」 「あ……それは私も同じですね。特に一緒になったユウキはかなり積極的ですから要注意です」 何だかイクスの話題になると途端に打ち解けた気がします 取り敢えずはそのユウキという子にも注意しておく必要がありそうですね
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