プロローグ

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さて、此処で一つ物語を聞かせてやろう え?いらないって?まあそう言うなよ、これから話すのは今後何かの役に立つ事かもしれないぜ? まずはこの世界に伝わる伝説の話でもしようか この世界はエデンと呼ばれているが、俺が主にいる世界とはちょっと違う世界なんだ 科学力も低くて戦争の道具は槍や剣、弓矢で戦っている たまに魔法を使える人間がいるが、そういった人間は殆んどが高い役職に就いて戦場に出るのは稀だ 中にはたった一人で何万もの大軍を相手に勝利を収めた英雄がいたという話もあったが、そんな人間も此処数百年、全く聞かなくなった ああ、そういえばアイツはそんな芸当も出来た奴だったか 誰かって?それはまた追々、な さて、話を戻すがエデンでは魔法があるし、ちょっとした生物の影響で地球とはまた違った世界なんだ それが何か、そうドラゴンだよ 翼を持っていて、口からは火を吐いて、その鱗は剣や槍を全く通さない最強の生物、まさに生態系の頂点と言っても過言ではないだろう? 体長は小さいのから大きいのまでまちまちだが、俺が話す伝説はこのドラゴンに関する伝説だ 数百年程前、大きな戦争があった ある小国が戦を起こしたんだが、その戦いは瞬く間に世界に一つしかない大陸全土へと広がっていった 理由なんて単純だ、「自分達の誇りを取り戻せ」、かつては大国だった小国は領土を拡大する為に戦争を仕掛けたんだ 勿論、最初は誰もが小国の敗北を予測していた、だが普通なら勝因がないと戦争なんて仕掛けないだろ? 小国の秘策、それはドラゴンだよ ある強大な力を持った一匹のドラゴンが小国の王とある取引をしたんだ 戦争に力を貸してやる代わりに娘を一人差し出せ、王はそんな事はお安い御用だと引き受け、ドラゴンと共に戦争を起こした やがて他のドラゴンも同じように取引を持ち掛け、或いは最初のドラゴンに従って大国をも一日で焼き尽くせる程の大軍勢を作り上げた 周囲の国を取り込んで巨大な帝国へと成長した小国の王はそのまま世界を制そうと進撃の方向を大陸の東へと向ける そして当時の大陸で一番大きかった国の王は考えた、どうすれば帝国の勢いを止める事が出来るかと そこで行われたのが勇者の召喚だった訳さ
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