プロローグ

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勇者については知ってるだろう? そう、色んな物語やゲームに登場しては魔王だとか敵国だとかを倒して平和をもたらす英雄さ エデンの勇者召喚に限らず、大抵の世界での勇者召喚は他の異世界から能力のある者を連れてくる物だ そして大国の王は呼び出した勇者にドラゴンの討伐を依頼し、宝剣を与えて送り出した それでも帰ってきた勇者は瀕死の重体だ、これでは到底勝てっこない そして、そこに大国の王へと取引を持ち掛ける声があった、それは一匹の白いドラゴンだった そのドラゴンは雌だったようで、大国の王に対してこう取引を持ち掛けたんだ 戦いに力を貸すから、戦争が終わった暁にはその勇者をぜひ婿に迎えたい、王と勇者はそれを了承して白いドラゴンと共に戦った 勇者はドラゴンの背に乗って大空を駆け、無数のドラゴンと戦ってはことごとく打ち破ってきた そして最初に帝国へと取引を持ち掛けたドラゴン、ソイツの鱗はそれはそれは真っ黒だったんだが、ソイツを討ち倒す事に成功したんだ その後、勇者は人間の姿を取った白いドラゴンと結婚してめでたしめでたし な、何処にでもあるような簡単なお伽噺だっただろう そして時代は流れても今なお世界にはこう語り継がれているのさ 「世界に危機が迫る時、光の勇者が現れ、白き竜の背に乗って共に戦わん。さすれば二人、闇を打ち払う力となる」 勇者はドラゴンライダーとして世界に名を残し、そして今でも人々の希望の光となっている まあ、今アイツ等はそんな世界に居るって事さ 召喚された勇者とドラゴン、黒と銀のドラゴンに白と茶色の髪の勇者としてな 俺はアイツ等を助けるつもりはないぜ、アイツ等なら上手くやって、そして俺が主にいるこの世界へと帰ってくる筈だからな そういえば、俺がまだ誰かを名乗っていなかったな 俺は暁の明星、まあ基本的にはルシファーと名乗っているしがない堕天使さ さて、勇者とドラゴンとして頑張ってくれよ、お二人さん
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