第2章 薫月(かおるづき)

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天界の御法度破りは 大罪である。 二人は厳重に罰せられた。 桜音は持っていた力を 全て奪われ、その魂は 強制的に転生させられた。 つまり人生の強制終了だ。 肉体は滅び その魂は 転生するための長い行列に 並ばされた。 そして 現代のこの世に 生まれ変わっているはずなのだそうだ。 そして薫月は、 この燈籠に封印された ということらしい。 封印は 1000周期であるため 1000年目の今年がチャンスなのだ。 「 桜音を探しては くださらぬか? 私の封印は かの者でなければ 解くことはできないであろう。 もしこの機を逃したら あと1000年、このまま 待たねばならぬ」 封印を解くために 桜音の波動と言霊が必要らしいのだ。 吉右衛門は 櫛から 波動を読み取ろうとしていた。 「 う~む。 これと似た波動の持ち主に 心当たりがあります。 お力になれるかどうかわかりませんが、 できるかぎりの事はさせて頂きます 」 「 かたじけない。 よろしく頼みます 」
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