第1章 悠天寺家総本家

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「 カナタさんが 中庭の燈籠(とうろう)のところへ 来てほしいと言っています。 うめき声が聞こえると‥ 」 「 なに、うめき声とな? 」 急いで中庭に行く吉右衛門。 「 あっ 吉さん。 この燈籠、何かの霊体が宿って いるようです。 話を聞いてあげてください 」 吉右衛門は、当主でありながら 気取らない、気さくな人物なので 親戚一同からは、親しみを込めて 「 吉さん 」と呼ばれていた。 「 うむ。 ところで カナタ、 その恰好はなんだ 」 これから 歌詠みの会を するというのに ウエットスーツを着て サーフボードを小脇に 抱えていた。
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