第2章 薫月(かおるづき)

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吉右衛門は とりあえず 弟子の榊原拓海に 歌詠みの会を 宗次郎を中心にして 進めるよう言いつけた。 燈籠に左手をかざしてみる。 かすかな思念が読み取れる。 「‥だれか‥‥誰か‥ある‥ ‥ 」 吉右衛門は、左手をかざしたまま 眉間に右手の人差指と中指を立て 「 波動同調! 」 と唱えた。 すると、燈籠からの思念が はっきりと聞き取れた。 「 ああ、有り難いことよ。 私の声が聞き取れる者が いてくれるとは‥ 。 そなたは 霊能力者であるのか?」
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