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吉右衛門は とりあえず
弟子の榊原拓海に
歌詠みの会を
宗次郎を中心にして
進めるよう言いつけた。
燈籠に左手をかざしてみる。
かすかな思念が読み取れる。
「‥だれか‥‥誰か‥ある‥ ‥ 」
吉右衛門は、左手をかざしたまま
眉間に右手の人差指と中指を立て
「 波動同調! 」
と唱えた。
すると、燈籠からの思念が
はっきりと聞き取れた。
「 ああ、有り難いことよ。
私の声が聞き取れる者が
いてくれるとは‥ 。
そなたは 霊能力者であるのか?」
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