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やっとファッション誌の担当者と話の折り合いがついて、
オレと里奈はショップ兼オフィスのデスクでコーヒーを飲みながら今後の対策を練っていた。
「これからは、直属モデルは抱えないでモデル事務所で借りた方がいいな。
ナオトみたいな事態を防ぐためにも。」
モデルに依存する里奈は、モデルを近くに置く事で、モデルに合わせた服をデザインする傾向にあった。
だから、そのモデルが着こなせば間違いなくその服は映えて、ショーでは見映えする。
里奈はオレの言葉に耳を傾けるだけで静かにコーヒーを啜っていた。
里奈はランチのカフェで涙を流してから、どことなく覇気がない。
プライベートでナオトの事で思い悩んでるのか
この先のブランドの行先の不安なのか
その両方なのか……。
オレからしてみれば、里奈がオレの望む通りに服を作ってくれれば、これからガンガン売り込んでいける自信はあるんだけども
当の本人はデザイナーとしての自信を喪失しかけてる。
「里奈……。オレは里奈のデザインした服が好きなんだよ。
方針が里奈の思い描くものとは違うかも知れないけど、今はまだ知名度を上げていく下積みが必要だと思う」
里奈には多くのユーザーを虜にするデザイナーになって欲しい。
そして、それが利益を生む。
利益が結果。
「分かってる。自己満足だけではデザイナーは続けていけないのよね」
里奈は苦い顔して笑った。
「これから会う委託の商談は絶対モノにするから。里奈はブランドの方向性を分かりやすくプレゼンして。オレはユーザーのニーズを抑えたプレゼンするから」
「……ええ。」
これから、委託するアパレル会社は取れたらデカイ。
都内に店舗を持ち、他のブランドも委託販売していて、顧客獲得を強化している。
立地条件がいい場所に店舗があるので
集客力はかなり見込める。
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