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リューマが‥……
帰って来ない。
仕事中のリューマに
電話なんてほとんどかけた事はなかったけど
なんだか凄く心配になって
ついスマホを手に取りリューマの電話番号を発信してしまった。
朝、
『今日は早く帰るから』
って言ってたのに。
遅くなるなら連絡くらいしてくれたらいいのに。
時刻は21:15分。
電話をかけたけど、何度かコールがかかった後、出る様子はなく留守電になった。
空腹だったけど、
リューマから何の音沙汰もない事が気になって
何か食べようとするのも忘れて
仕込んでおいたグラタンもそのままにしたまま、
シャワーを浴びた。
『今夜、リューマは帰って来ないよ』
ナオトさんの根拠のない忠告が
現実になってしまった。
今夜はリューマと一緒に食事をしたかった。
ずっとすれ違いでも、たまに一緒に食事が出来ればそれで良かった。
早く帰って来れなくても、日付が変わるまでには帰って来て欲しい……。
温かいシャワーを浴びながら
ジンワリ涙が滲む。
‥……気にするな。
帰りが遅くなったくらいで。
きっともうすぐ帰ってくる。
連絡してくれないのだって
充電がなくなったからとか
そんな些細な事に決まってる。
私はリューマの妻なんだから
こんな事で不安になってたら
リューマの妻は務まらない。
「早く帰ってきて……」
思わず呟いて、シャワーを出る。
する事も見つからず、テレビを見る気も失せて、ベッドに潜り込む。
23:25分。
ベッドの中からスマホを握りしめて、発信記録からリューマの番号を発信した。
お願い……。出て……。
願いも虚しく、
発信コールが数回鳴った後、留守電に転送された。
リューマ、信じてるから。
ナオトさんに何言われても。
リューマが私を『信じてる』って言ってくれたように……。
だから
早く
帰ってきて。
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