第1章

9/32
前へ
/32ページ
次へ
里奈からは時々、ナオトの事で相談されていた。 オレが里奈のビジネスパートナーになると正式に決める前から。 里奈は割り切ってナオトに接していたみたいだけど ナオトはそうゆう訳にはいかなかったらしい。 里奈はブランドを立ち上げてから、コレクションをこなすも、収益が上がっていかなくて 採算が取れずにいた。 俳優時代、Ripshのブランドデビューには、オレも自らスポンサーになって、プライベートでは里奈の服を着こなし、宣伝効果に一役買った。 里奈はオレのセンスを際立たせてくれる専属スタイリストで、里奈のデザインする服が好きだったから、ファッション業界でブランドデビューを目指す里奈を応援した。 ……でも、そこに恋愛感情はない。 オレと里奈が付き合ってるって周りの人達は勝手に思っていたみたいだったけど、 別にわざわざ否定する事もしなかった。 なんて噂されようが、 事実を曲げられる事には慣れていたし、芸能界にいたオレはそれが当たり前だったから。 海斗が里奈を『元カノ』と車の中で言ったのも 気にも止めなかった。 ……それが、 あとで誤解を招き、ややこしい事態を招くとも知らずに。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加