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どうしてだろう?なんかちょっと気になる。
「なに、読んでんの?」
声を掛けると、固まっていた身体が、またビクッと揺れた。
「・・・・!」
だけど、やっぱり顔はあげてくれなくて、声も出さない。小さく小さく、首を横に振った。
……まぁ、質問の回答は貰えないけど。
「ごめん、言いたくなかったよな?」
そう言うと、また身体を揺らす山下。
「っ!……、ち、ちが、ぃ…ます…。」
俯いたまま、俺の方を見ない山下だけど…蚊の鳴くような、小さな小さな声で答えた。絞り出したような声………初めて聞いた。
やっぱり、少し高い。
なんか、口元が緩む。
「おーいっ!奏!なにしてんだよっ!」
痺れを切らしたのか、幸吉が教室の外から俺を呼ぶ。
「あっ、悪い悪い!…、じゃあな、山下。また明日。」
それだけ声をかけて、幸吉のところへ。
後ろで、小さくヒクッとしゃっくりのような声が聞こえたけど、もう振り返らない方がいいなと判断した。
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