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「俺、そんなにニヤついてた…?」
「うん。どーせイケメンだったけど。てかそんなことは今どうでもいいんだよっ!ああ~どのカラーのシューズ買おっかなあ!」
どうでもいいの、かな…。
ほんの少しの違和感を胸の奥に感じながらも、ウキウキと楽しそうな幸吉に、俺も気がつけば忘れていた。
「これ良くね?」
ショップで見つけたいいデザインのシューズを手にとって幸吉に見せる。
「うわあっ!めちゃめちゃかっこいい…!でもコッチもかっこいいんだよっ!くそぉ!悩ます~~!」
頭を抱えた幸吉に俺は笑って、そんな時、また背中に視線を感じた。
あ、今日は外でも見られてる…。
ほとんどが、学校で感じる視線…だけどこうして、時たま外でも見られているような気がする。
「……なぁ、幸吉。俺の後ろ、誰か俺のこと見てるか?」
君は、誰なんだ。
どうして俺のことを見る?
「後ろ?…いや、誰もいねぇよ?え、なに、ホラー!?」
…なんでそんな嬉々とした表情を…。でも、そっか、いなかったか。
「いや、なんか誰かに見られてる気がしたから。気のせいだな!」
「イケメンだからって!自意識過剰だぞ!」
「いや、別に…、」
あれ、俺って自意識過剰なのか?
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