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「俺、キモいよなぁ…。」
「え、なになに。意味わかんないんだけど…やめてよね、お兄ちゃん、一応それでも私の友達の中では王子様ってことになってるんだから。」
だったら、良くないか？自慢の兄だろ？なのになんでそんな冷酷な目で見るんだ…
「俺の顔って結構良いか？」
もし、俺のことを好いてくれているストーカーだったら、俺の顔が良いと思って、好きになってくれたのか？
「・・・どうしたの、お兄ちゃん。そりゃ、一般的には良い方じゃない？私は嫌いだけど、人形みたいで。」
「…お前いつから、そんなに冷たくなったんだ？」
久し振りに会話したと思ったらこれだ。世の中の妹ってみんなこんな感じ？あれ、俺って妹に嫌われてたっけ？あ、わかった、これ思春期ってやつか。
………、いや？父さんとは仲良いよな。俺だけ…？え、そうなの？
「お兄ちゃんってさ、出来は良いって感じだけど、つまんないんだよね。なーにも興味ないくせに、へらへらして。」
あ、すごい、すんごい、図星だ。
「ははっ、痛いなぁ～」
「またそうやって。それだったらさっきの気持ち悪いニヤニヤ顔の方が数倍マシだね。」
……そうか。
「なあ、天音( あまね )、お前彼氏いねぇだろ。」
「…ほんと、きもっ」
ひどいなぁ。…でも、天音の言葉は、俺の心を晴れやかにするのには十分だった。
気持ち悪いニヤニヤ顔の方が数倍マシ、かあ。
妹からのその一言で、俺は決心した。
ストーカーと、向き合ってみようと。
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