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あ、しまった。 絆創膏に気を取られ過ぎてて、習性を覚えるという本来の目的を忘れてしまっていた。 いや、でも、これは新たな発見だよな。もらえる、なんて。 それにしても、ほんと、いつの間にすり替えたのか… そして、次狙われるのはなにか…。中敷がすり替えられた今、無限に可能性は広がった気がするなぁ。 靴下…とか?いやいや、さすがにそれはないか。だって一回履いたら脱がねぇし。 靴関連はさすがにもうないよな、靴紐と中敷がもうすでに変えられてるし、筆箱関連も…だいたいの文具が新しくなった。 あーー、わっかんねぇ! 午後からの授業では、考えることは一度中断した。だって埒あかない。 ひとつ気がついたことは、重要なのはどのタイミングですり替えてるか、なんだよなぁ。 それさえわかれば、パターンが読めるし…なんだったら隙をついてすり替えているところを見れるかもしれない。 いや、絶対、みる。 罠を仕掛けてでも、見てやる。 俺が今までかつて、こんなにも執念を燃やしたことがあっただろうか…いや、ないな。 背中に、相変わらず遠慮がちな視線を感じながら、その視線の元を探したい衝動をこらえながらやり過ごす。 次は移動教室だなぁ…サイエンスかー。なんかの実験だっけか…めんどくさいなぁ。 教科書類と、筆箱を持って教室を出る。 幸吉と喋りながら廊下を歩いていると、バサバサバサッとなにかが落ちる音がした。 思わず振り返ると、人が座り込んでいて、周りにはプリントやらが散らばっていた。 考えるよりも先に、身体が動いた。 .
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