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2人から、目が離せなくて、そしたら幸吉が山下に何かを話し掛けていて、山下も幸吉の顔をちゃんと見ながら笑顔で受け答えをしていた。
待っ、待って…え?なんであんなに態度違うんだ?…やっぱり、嫌われてるのか…
でも、嫌われるようなこと、した覚えないのに。
あーなんだ!これ!めっちゃ気持ち悪い!!!
「………お前、山下となに話してたんだよ。」
プリントを配り終えた幸吉が、俺の席の隣の席に座って、俺は幸吉にそう話し掛けた。
自分でも、思ってたより低い声が出て、びっくりした。慌てて幸吉の顔を見ると、特に気にした様子もなくヘラヘラしてて安心した。
「え?山下?あー、なんか、肩に埃がついてたからさ、埃ついてるよーって教えてあげた!あいつ静かで根暗っぽいけど、結構かわいー顔してんだな。」
埃…か。なんだ…。
でもなんか、幸吉も山下のことを可愛いって思うのは、あんま、気持ちよくねぇな…理由はわからないけど。
「…山下は、前からずっとかわいいよ。」
気づいてるのは俺だけで良かったけど。
・・・・ん?
なんだその考え…意味ワカンねぇ。
「ん?なに、奏は山下と友達になりてぇの?」
「いや、別に…」
その続きの言葉に詰まっていると、先生が教室に入ってきて、結局話はうやむやになって終わってしまった。
別に、友達になりたいとか、そんなこと思ったことない、っていうか、考えたこともない。
自分でも、よくわからない。
ただ、妙に気になって、構いたくなるだけで。
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