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ってことは、友達になりたいのか…?
考え込んでいると、幸吉にバシバシと肩を叩かれる。授業中だってのに騒がしいやつ。
「奏!なあなあ!今日の実験やばくね!?ゆで卵食べれるんだってさ!!」
今日の授業は科学の実験。
殻を割っていないゆで卵に、塩味をつけるというものだ。コンビニに売ってるゆで卵なんかはこの技法が用いられているらしい。
「ゆで卵一つでそんなに喜べるお前がすげぇよ。」
さっき昼飯食べたばっかりだろ。
「お前、、ゆで卵舐めてるだろ?タンパク質だぞ?」
「いや、舐めたつもりないけど、タンパク質にそんなテンションあげらんねぇよ。」
「いやいやいや!しかもあれだぞ、殻割ってねぇのに、中に塩味ついてんだぞ!?すげぇじゃん!」
「まぁそういう実験だしな。」
そりゃ、すごいとは思うよ。
「まじクール…奏って本当、クールだわ…」
ガクッと肩を落とした幸吉に笑って、他の奴らはテンション上がってんのかなーと周りを見渡して、不意に山下が目にとまった。
真剣な表情で、液体につけた卵を見つめていて、その姿に頬が緩んだ。
かと思えば次はなにやら、あわあわと1人で慌ているような、焦っているような、困惑したような表情を浮かべ、青くなっている。
1人、あわあわするだけで、周りも山下の異変には気が付かないし、山下本人も周りに助けを求めない。
…なんだ?
じっと見つめると…
あ、卵割れてる……。
何故か、山下の卵だけが、殻にヒビが入り割れていた。そもそも割らずに塩味をつけるという実験なのに…
なぜそうなった…
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