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「まっ、まじかよっ!俺なんも知らねえよ!?」 「授業聞いてねぇから自業自得。先週先生が言ってただろ?」 そう言うと、幸吉は若干半泣きになった。 「先週のことなんて覚えてるわけねぇだろ!!!奏ぉぉ~助けて!!!」 「助けるもなにも…方法がないだろ?潔く、諦めろ。」 ガクッと肩を落とす幸吉。小テストくらい、そんなに成績に響かないだろ。 「お前は勉強出来るからいいよな~。ま、くよくよしてても仕方ないか!それより今日バイト?放課後暇じゃねぇ?」 切り替え早いな…そこがお前の良いところではあるけど… 「ああ…バイトは休み。暇だよ。」 俺は週の3回程度、家の近くのカフェでアルバイトをしている。もう働き始めて1年が経った。 最近では作れるドリンクも増えてきて、職場環境も良好だし…接客も楽しいからこのバイト始めてよかったと思う。 「俺も部活休みなんだよっ!シューズ買いに行くの、付き合ってくんねぇ?んで帰りに飯でも!」 「おっけー。つかこの前も靴買ってなかったか?」 「この前はスパイク!今回はランニング用のシューズ!」 ……スポーツマンってのも大変だなあ。俺も中学の頃は部活に入ってスポーツしてたけど…そこまで身を入れてやってたわけでもないし、なんとなく周りがやってるからって感じだった。 どうも、熱中できない。 色んなことを試してみて、全部ある程度出来るようにはなるけど…やっぱり熱中出来ないんだよなぁ。 部活もそうだし、中学の途中から始めたギターも続けてはいるけど…まぁせいぜい文化祭でバンド組むくらいだ。わざわざ軽音部に入りたいとまでは思わない。 アルバイトも、そういう理由で、なにか変わるかもしれないと思って始めたけど…まぁ、やっぱり熱中ってのとは違う。もちろん、対価が発生するから、やりがいはあるけど。 .
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