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恐る恐る…袖を通すと、ふわあーっと尾崎くんの香りに包まれて、僕はその場にしゃがみ込んだ。 どうしよう、どうしよう、すごく嬉しい… 尾崎くんを、こんなにも近く感じる。 少しだけ、目に涙が滲んだ。 今まで、尾崎くんの物を、少しずつ盗んでしまったことがあるけど、こんなにも尾崎くんの匂いで包まれたことはない。 この服、普段は、尾崎くんの皮膚に触れてる… ああう… 「山下…?大丈夫か?」 はっ!!! 「だっ、だいっ、大丈夫です!」 手のひらでググッと涙を拭い、僕は尾崎くんの服で風呂場を出た。 胸のドキドキが止まらないよ……っ 出るとすぐ、本当にすぐ近くに尾崎くんが立っていて、めちゃくちゃびっくりした。 「ひっぅ!」 どこから出たのか分からない声が出て、至極恥ずかしい。 「………山下……やべぇ…めちゃくちゃかわいい…。」 驚きで、尾崎くんのことを見られず俯くと、上からそんな声が降ってきて、僕はチラリと顔を上げた。 …尾崎くんの顔が、赤くなっているように見える。口元を押さえた尾崎くんが、僕を見ている。 それだけで、背中からゾクゾクっとなにかが駆け上がってくる。 .
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