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優陽さんに付いていき、中に入る直前服の袖を掴み言った。
「あの、ありがとう....ございます」
ペコリとお辞儀をする。優陽さんはおう!と一言返事をすると、襖を開けて中に入っていった。
「おー!ゆうひにい遊ぼー!!」
「うお!奏太。」
優陽さんに勢いよく抱きつく男の子。その回りにぞろぞろと集まる子供たち。本当に人気者なんだな。
そんなことを思っていると奏太君が近づいてきて、抱きついてきた。
「おねーちゃんも遊ぼー!」
キラキラとした目で見つめられ、断ることなんてできなかった。
ご飯の準備が出来る間、邪魔にならないところで折り紙をしたり、ブロックで遊んだりした。
準備が出来ると、子供達の母親は席に大人しく座らせようとしたが、言うことを聞くこともなく優陽さんの膝のうえに座ったり、遊び始めたり、挙げ句の果てには私の膝のうえに座ってきたりとした。
「ごめんね、優陽君、翔ちゃん。こら、下りなさい」
「いやー!」
母親が下りさせようとしたが、プイッと顔を横に背けて聞こうとしない。
「大丈夫ですよ!こいつらがここで大人しくするなら俺も構わないですから。」
翔ちゃんは?と訊くように優陽さんは私に目を向ける。ただ目が合っただけなのに心臓がトクリと鳴り、それに動揺した私はこくりと頷き返すことしかできなかった。
「お姉ちゃんって、絵ーかくの?」
「絵?描くよ。どうして?」
私絵描いてるとこ見せてないよね?なんで知ってるんだろ。そう不思議に思い首をかしげる私に奏太くんは満面の笑顔で言った。
「あのね、ゆうひお兄ちゃんがお姉ちゃんの絵見るの楽しみだーって言ってたから」
「そ、そうなの?」
色んなことに驚き、横にいる優陽さんを見ると、顔を真っ赤にしていた。
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