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目頭もまた熱くなる。
「翔ちゃん、とりあえず廊下出よっか?」
凄く落ち込んでいるような声をして言う優陽さん。私は頷き、廊下へと出た。
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廊下に出ると、両手を合わせて謝ってきた。
「本当にごめんね。俺、寝ぼけるとなんか抱きついちゃうみたいで....決してわざとじゃないんだ」
「はい、ぐすっ。それは分かってます...大丈夫です」
涙を袖で拭いて、
「水飲みに行ってもいいですか?」
さっきのこともあり、当初の目的を忘れていた。私は台所に向かって歩きだす。
「うん。台所反対側だよ」
優陽さんに導かれ、台所へ向かった。
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「すいません」
コップの中の水に、少し口をつける。
「どうして?謝るのはこっちだよ。でも、なんで?」
シンクに寄りかかり、優しく訊ねる優陽さん。
「私凄く泣き虫で方向音痴で、迷惑かけることが多くて。さっきだって...」
項垂れる私に優陽さんは、ぽんぽん頭を撫でて言った。
「そうだとしても、俺はそんな翔ちゃんが好きだよ」
さらっと言われたその言葉に、驚きを隠せなかった。
「す、好き?」
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