夏美お姉ちゃん。

2/2
前へ
/19ページ
次へ
お母さんの後に付いていくとそこは、台所だった。中には沢山の人がいて忙しなく動いていた。 二人でお姉ちゃんを探していると、台所の奥で保育園の先生が着けているようなエプロンを着けて、キャベツを千切りしているお姉ちゃんを見つけた。 「夏美、久しぶり」 「あ!お姉ちゃん久しぶり!!相変わらずー翔ちゃん!!!」 「ひゃ!お姉ちゃん!?」 急に抱きつかれたと思ったら、頭を撫でられたり、頬擦りをされたりと沢山のスキンシップをされた。 「翔ちゃん会いたかったわ~、相変わらず丁度いいサイズで可愛い♪」 「夏美そろそろ離してあげなさい」 お姉ちゃんを引き剥がしてくれたのは、お姉ちゃんの旦那さんの健悟さんだった。 「ごめんなさい。可愛くてつい..」 健悟さんの横に並んで、無邪気に笑うお姉ちゃん。そんな様子を見ていると横にいたお母さんは、礼をして言った。 「改めまして、ご結婚おめでとうございます。」 私も慌てて礼をして、おめでとうございますと言う。それを聞くと二人は幸せそうに笑い、ありがとうございますと声を揃えて言った。 その後、健悟さんは思い出したようにお姉ちゃんに言う。 「そういえばまだ、作ってる途中なんじゃないの?」 「あ!そうだった。健悟とお姉ちゃん、人手足りないから手伝って!!」 両手を合わせて頼むお姉ちゃんに二人は、もちろんと頷くと身支度を始める。 「あの、私も手伝います」 そう言うと、 「ここは大人でやるから、翔ちゃんは休んでて♪」 と言い、腕捲りをして手伝いに戻ってしまった。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加