第1章

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両親は小さい頃に亡くなっていて、それからは唯一の身寄りである叔父さんの所にお世話になっている。 微力ながらの恩返しと、罪滅ぼしという意味も込めて、仕事で忙しそうな叔父さんの代わりに家事全般をこなしているのだ。 「今日の夜ご飯はどうしようかな。 確か、駅前のスーパーで卵と玉ねぎが特売だったから… 親子丼か、オムライスか」 ちなみに、此処は学校の裏庭。 他には誰もいない。 つまりは独り言。 友達はいないし、必要だと思った事もない。 この境遇を揶揄されるのも、同情されるのも嫌で、誰かと距離を縮める事を無意識に拒んでいた。
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