第1章

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いつの間に後ろに立っていたのか。 人差し指の背で耳の裏を執拗に撫でられて、ぞくぞく、と全身にナニかが走る。 …わざと、だ。 耳、弱いの知ってて…。 「光哉」 ――…ドクン… 「…此処だと、周りから丸見えですね。 いつもの場所に行きましょうか…?」 疑問系だけど、 答えは一つしかない。 穏やかで優しい声色だけど、 断る事は一切許されない。 ――…『夜野先生』の言葉には、そんなチカラがある。
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