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始まりの季節である春。今日は四月も半ばに差し掛かってきた、暖かな日差し降り注ぐ春である。
清々しくホノボノとした陽気が窓の外を見ても伺える。しかし、始まりの季節はあんがい忙しい。今頃はみんな忙しさに追われながらも新たな始まりに胸を躍らせているに違いない。
「…………」
「えー、名前は? あと、高校」
「ま、松代 純也(マツシロ ジュンヤ)です。彩芽(アヤメ)高校二年……です」
俺も絶賛胸踊っているところだ。
蛍光灯で照らされた狭い密室。青い服と帽子を被る屈強な男。腰に下げているあの棒状のものが怪しく存在感を放ち、この先自分の尻の処女性に不安を覚えるが、そういえばここに入る前に『KOBAN』の文字と日本を守ってくれている方々のシンボルも見えたことを思い出し心に安全マージンを確保。
「なんでここに連れてこられたか、わかるかい?」
「さ、さあ。突然のことだったので……」
そう、突然過ぎて、本気で自分の尻を心配したくらいだ。
あらゆる方向で多趣味なナイスガイな俺だけど、流石にホモと人外はノーセンキュー。
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