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人は死ぬ寸前まで聴覚は残っている
首を落とされても、直ぐには死なない
心臓を撃ち抜かれても、興奮状態ならば直ぐには死なない
傷の認識がなければ、例え致命傷を受けていても、平然と気づくまで動く場合がある
死とは、なにを以て死というのか
未だ定義ははっきりとしていない
大概の思想は、心臓が止まり、脳が活動しなくなることを死という
心肺は停止しただろう
だが、思考は生きている
こうなるに至る原因も含め、全てを把握している
それならば、私は死んでいるのか生きているのか
私はどちらを選択すべきなのか
解らないから、私は死ぬことも生きることも出来ずにいる
尤も、生きたくはない
だが、このまま死ぬのも享受し難い
死ぬ前に、一目会いたい
この想いをなんと呼ぶのだろうか
私は、その名前を知らない
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