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売れ残った野菜が毎日食卓に上がり、
子供たちは肉も魚も食べずに育った。
有難いことに5人とも
元気に育ってくれていた。
お前は野菜だけでは客が来ないと
ミルクセーキを作って売った。
お前の作るミルクセーキは評判で
やがて夜街の姐さん方から
ミルクセーキの出前の依頼が
入るようになった。
出来のいい長男は俺に代わって
出前に行ってくれ、
帰りには野菜の注文も貰ってきてくれた。
そんな自慢の長男が
近所の農家で子豚が産まれたからと
見に行ってくると出掛けて行き、
日本脳炎にかかって死んでしまった。
俺は娘たちの前で
お前ら4人の娘に替えてでも
この子にだけは生きていて欲しかったと
嘆いてしまった。
お前は娘4人を抱きしめて
ひとりひとりの名前を呼んで
「違うよ、違う」
「父ちゃんの本心じゃないよ」
と慰めていた。
娘たちが立派に育ってくれたのは
お前のお陰。
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