577 ひろと慶喜 その二

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その後も、慶喜公は私が慶喜公の事をどう思っているか、この先の世をどうしたいと思っているか判るか等と尋ね、私の答えに聞き入り、私も公の話など聞かせてもらっていた あれやこれやと話しこみ、夕餉も同じ部屋で食べるよう言われ、食事の最中も話は尽きる事はない そして、判った事 慶喜公って頭がいい キレ過ぎるために、周囲に理解されずに変人扱いされてるんじゃないかな 臆病者や、木偶(でく)の坊呼ばわりするのは、きっと好戦的な臣下だけだろう さっきご自分でも仰ってたけど、すぐ傍に居る人でさえ理解できないのは、慶喜公がほんのちょっと先の未来ではなく、何十年も先の未来や日本だけでなく、世界を見据えているからだ 私も未来を知らなかったら、きっと『臆病で変な殿様~』って思っていただろう
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