583 慰め 斎藤

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ひろさんが俺の腕の中に居る ああ、随分と久しぶりだ 伊東を討った日、御陵衛士の屯所から傷ついたひろさんを抱いて表に出た時以来だ あれからもう、三ヶ月になるのだな 時折しゃくり上げながら眠るひろさんの涙の跡をそっと指で拭う と、その時廊下で人の気配・・・ 誰だ・・・? 「ひろ、予だ 良いか?」 よ、慶喜公?! 「あ、今、ひろさ・・・篠田殿は・・・」 どうしようかと思っているうちに、障子が開いた 「その方・・・新選組の斎藤・・・だったか ここで何をしておる?」 「あの・・・」 「フ・・・ 夜這いにはちと早い刻・・・ ましてや、ここは仏のおわします寺だぞ?」 「お言葉ですが、夜這いなど「下がれ」」 「・・・は!」 そう言って、ひろさんをそっと横にし、俺は下がるしかなかった
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