1603人が本棚に入れています
本棚に追加
/1653ページ
「だ~い丈夫!
動脈は傷付いてないからね
血が止まるまで、ちゃんと抑えといて!」
「死にたくねぇ、嫌だ、死にたくねぇっ!」
「こらっ、動かないのっ!
死にたくないんでしょ!
はい、じっとしてて!」
「母ちゃん、母ちゃ・・・」
「弾は貫通してるよ!
しっかりして!
お母さんに、俺、頑張ったよって言えるよ!」
「先生、追加の晒し、持ってきました!」
「ありがと!
後、もっと水が要るんだ!」
重軽傷者でごった返す奉行所内
斬り傷ではなく、銃創や、火傷の怪我人が多い
さしたる訓練も受けずに参戦した新兵や体力の無い者でも扱える銃砲による西軍の攻撃が、数で上回るはずの東軍を圧すなど、誰が想像しただろう
どんなに腕の立つ剣士も、ただ一発の銃弾に倒れ、二度と剣を握れなくなるような重傷を負ったり、命を落としてしまうのだ
数で西軍を圧していたにもかかわらず、初日でこれだけの犠牲が出るなんて・・・
最初のコメントを投稿しよう!